「お愛でたい気持ち」

 普段なにげなく使っている言葉でもその語源を知ると、新しい違った言葉のように感じることもあるから不思議だ。
 正月らしくなにかおめでたいことでも書こうと思い、ふと「おめでたい」の語源を知りたくなった。
 「メデタシ」というと、おそらく鳥や花を愛する「愛(め)でる」からではないかと調べてみたら、はたしてその通り。
 つまり「おめでたい」は「お愛でたい」ということだったのだ。ということは、その人や物や出来事に対して「愛したい」という祝福の言葉だったということか。
 もとは贈り物などをいただいたときに、それを額にあて、「メデタイ」といったり、「メデトウゴザル」といったりしていたらしい。
 まわりのものすべてを、愛したいと思い、すべてを祝福する気持ちになれれば、解決できる問題もたくさんあるはずだ。
 「いい歳をして、そんな夢みたいなことを」というかもしれないが、ジョン・レノンも「イマジン」の中で、「天国も地獄も宗教もなく、奪い合いも飢えもなく、みんなが分かち合い平和に暮らす世界」を想像してみようと、歌っている。
 今年も出会えるたくさんのものを、愛することのできる「お愛でたい気持ち」を失わない一年にしたいと思っている。
 ジョンも「君は僕を夢見る人というかもしれない」と、いっているが、こちらも同じくいくつになっても、夢見るオメデタイ男なのだ。
 今年もたくさんメデトトウゴザル。